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2020年6月1日

スマートシティにおけるAIの活用

 

スマートシティとは?
スマートシティにおけるAIの活用

スマートシティという言葉を耳にする機会が増えています。しかし、スマートシティといわれても一体何のことか分からないという方も少なくないでしょう。国土交通省は、スマートシティについて、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義していますが、具体的にどのような街づくりのことなのでしょうか。 今回は、日本におけるスマートシティへの取り組みや市場規模についてご紹介します。

スマートシティとは

まずは、スマートシティとはどのような街づくりのことか、分かりやすくご説明します。

スマートシティの定義【国土交通省】
国土交通省が定義するスマートシティを簡単にご説明すると、スマートシティとは、最新の情報通信技術を活用することで、都市が抱える問題(人口集中による交通渋滞や環境汚染、労働力の減少など)を解決し、人々が最適な環境で暮らせる街づくりを目指すということです。
日本におけるスマートシティの動向
日本におけるスマートシティへの取り組みは、環境対策やエネルギーの有効活用を目的とした政策から始まりました。近年ではIoTやAIなど技術基盤の進歩により、複数のデータを連動させることが出来るようになったことから、環境対策やエネルギー効率化だけでなく、さらに広い範囲で情報通信技術を活用し、様々な問題解決を目的としたインフラ整備やサービスの効率化を進め、快適な街づくりを目指しています。

スマートシティにおけるIoT技術の活用

IoTとは「Internet of Things」の略称です。分かりやすく説明すると、IoTとは、センサーと通信機能を使って、モノをインターネットに接続させる技術のことを言います。例えば、自宅の鍵や防犯カメラをはじめ、冷蔵庫やエアコン、リモコンなどにもIoT技術が搭載され、スマート家電などと呼ばれるようになりました。自動車でもIoT化が進んでいます。

IoT技術を活用することで、対象となるモノと受信機との電波強度を測ることによってその大まかな距離を知ることができるようになりました。これを応用してモノの位置(存在検知、近接検知、通過検知)を知ることができます。

スマートシティにおけるAI技術の活用
AIとは、「Artificial Intelligence」の略称です。スマートシティへの取り組みとして、モノにAI技術を組み込むことで、IoT技術を人の介入なしに行う実証実験が進められています。AIによって分析されたデータを集約して最適化をはかることで問題を解決し、安全な暮らしを実現するのです。
IoTとAI技術の進歩により、私たちの暮らしにおける可能性はさらに広がります。
スマートシティに対する取り組み
スマートシティに対する取り組みをより推進するために、関係府省をはじめ、民間企業と地方自治体、大学や研究機関を会員とした「スマートシティ官民連携プラットフォーム」が設立されました。
民間企業としては、大手企業だけでなく、独自の技術を持つベンチャー企業も参画しています。官民が一体となって、研究開発・技術開発を推進することで、全国各地のスマートシティへの取り組みを推進し、より住みやすい街づくりを目指しています。
スマートシティの市場規模
調査会社であるIDC Japanの調べでは、国内スマートシティ関連ITの市場規模は、2022年に9964億円と予測されています。日本国内では、すでに多くの企業がスマートシティの実証実験を繰り返し、それぞれの強みを活かした技術分野において、様々な取り組みを提案しています。また、多くの自治体でも民間企業と連携し、計画・準備が進められています。
さらに、世界規模で見ると、スマートシティの推進はより積極的に進められています。実際に、街中に取り付けられたネットワークカメラによって車両盗難や警察へのレスポンスタイムが短縮されているのは事実です。インフラが整っていない地域や小規模な地域のほうが、スマートシティ関連の技術を導入しやすいということもあり、スマートシティの市場規模は先進国のみではなく世界中に広がっています。

スマートシティの国内事例

国内におけるスマートシティの事例を具体的にご紹介します。

【企業の取り組みその1】
インフラを地下に埋め込み、街道を網目のようにデザイン、完全自動運転の車が走行する道・歩行者と車(スピードが遅い)が共存する道・歩道のみの道を血管のようにめぐらせる構想のもと、あらゆるサービスを情報でつなげる実験都市の開発が国内で取り組まれており、ロボット・AI・自動運転・スマートホームなどの検証が進んでいます。
【企業の取り組みその2】
データを活用したビルの構築、5G・仮想現実などの技術を活用して、人の流れや混雑状況を解析したり不審者の異常な行動を検知したりし、スマートフォンを通じて発信、情報の共有ができる街づくりを目指しています。
【自治体の取り組み】
安心して子育てができる環境づくりを推進すべく、自治体もスマートシティ計画に取り組んでいます。具体的には、通学路を中心に設置したカメラや郵便車両に搭載したIoT機器を利用し、スマートフォンのアプリを通して情報を共有できるようにしたり、児童のカバンに専用IC端末を入れ、学校に入った時間や出た時間をスマートフォンなどから把握できるようにしたりする取り組みがなされています。家族は子供の到着確認や帰宅時間を予測でき、下校時の待ち合わせ等にも役立ちます。

スマートシティにおけるAI分析映像監視サービス「TRASCOPE-AI」の活用

弊社が提供するAI分析映像監視サービス「TRASCOPE-AI」は、屋外の防犯やセキュリティ対策としてはもちろん、危険エリアの管理、鉄道における滞留検知や工場での外観検査など、遠隔での統合監視用途において高い評価を頂いており、マンション、建設現場、駐車場、鉄道等、スマートシティへの取り組みを行う様々な企業様でご採用いただいております。

顔認証やヒトモノ行動認識、車番認識など、様々なAIアルゴリズムの実装が可能な「TRASCOPE-AI」は、安全な暮らしの一助として、建設現場における危険エリアの管理や、公共施設における不審者や不審物の検知、鉄道ホームからの落下防止など、安全な街づくりに不可欠な遠隔監視にAI技術を組み込み、人の介入なしに行うことを実現いたしました。

さらに、属性分析のAIアルゴリズムも搭載し、店舗や商業施設、コインパーキングにおける客層分析マーケティングなど、防犯・セキュリティ対策だけではない、高付加価値な映像監視サービスを提供しています。

最後に

スマートシティとは、IoTやAIによって情報を共有することで都市に起こり得る問題を解決し、無駄を省くことによりエコで快適な暮らしにつなげようという取り組みのことです。街づくりに完成はありません。その街の施設や住居が住む人のライフスタイルに合わせて臨機応変に対応し変化させることが期待されます。

スマートシティへの取り組みとして、AI技術の活用は必要不可欠です。安全で快適な暮らしの一助となる映像監視サービス「TRASCOPE(トラスコープ) 」について、より詳しく知りたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご要望・要件に応じて、ご提案させて頂きます。

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